投資家を守る制度
預金保険制度
私たちが、事故や怪我をして出た経済的損害をカバーするために生命保険に加入するのと同じく、銀行もある保険に入っています。この銀行向け保険を「預金保険」といいます。
制度の目的
「預金保険」とは、その名の通り預金を守るための保険です。一般的に保険というのは、何らかの事故が起きたときに、事故による損害を埋め合わせるものです。例えば火災保険だと、火災が起きたときに生じた、家の損失に対して保険金が支払われます。
預金保険も保険なので、基本的な仕組みは似ています。金融機関が破綻してしまったときなどに、保険金がおります。その保険金は、預金保険機構という機関から支払われています。預金保険制度のおかげで、万が一事故が起きても、私たちの預金が守られるのです。
もしも銀行が潰れたら?
もしも、いつも利用している銀行が潰れたら、あなたの預金はどうなると思いますか。「潰れてしまったのだからお金はパー?」こつこつ貯めたお金が全部なくなってしまったら無くに泣けない、日常生活もできなくなってしまいますよね。
でも安心してください。銀行が潰れてしまっても、一定額までは保証してくれます。銀行が破綻した場合について、金融庁の説明にはこうあります。
ひとつの金融機関ごとに預金者1人当たり元本1000万円とその利息等を保護します。
つまり、銀行が破綻してしまっても、最高1000万円までは確実に返金されるのです。「でも、銀行するってことはお金がないから、預金者に返すお金もないんじゃないか?」と疑問に思いませんか?
こんなときのために銀行は、預金者の資産を守る「預金保険制度」に加入しています。預金保険制度は、通常の保険とほとんど同じで、まずは銀行が定期的に保険料を支払います。保険料を支払う相手を預金保険機構といい、銀行に重大な事故が起きたときには、ここから保険金が払われます。
これで、銀行が破錠したとしても、1000万円まで預金者の資産は守られるのです。
預金保険制度の歴史
日本では、明治時代から何度も恐慌が発生し、銀行から預金者が預金などを取り戻そうとして、急激に金融機関に殺到する「取り付け騒ぎ」が発生していました。よって、預金や預金者の保護については、早くから問題となっていました。
しかし、当時の日本では、「金融機関はつぶれない!」と思われていたため、預金者の保護が大きく取り上げられることはなかったのです。結局、預金保険の議論は中断されることになりました。
昭和 30 年代になると、資金調達がスムーズになり、金融機関の信頼性に差が出てきました。信頼性の弱い金融機関の中には、規模を大きくするために、無理な貸出をするところもあり、ここでやっと、預金者を守るのための制度が意識されるようになりました。
こうした状況の中で、金融制度調査会は、昭和 32 年に、「預金者保護のための制度に関する答申」を行って、初めて預金保険類似制度導入が打ち出されたのです。
現在では、欧米諸国を始めとする世界 85 ヶ国余が預金保険制度を採用しており、日本の場合、昭和46 年に発足しています。
預金保険制度の対象外
外貨預金、他人、架空名義預金、譲渡性預金、オフショア預金、日本銀行からの預金、金融機関からの預金、預金保険機構からの預金、無記名預金、導入預金、元本補てん契約のない金銭信託、金融債)は保険の対象外です。
破綻した金融機関の残余財産状況に応じて支払われるため、一部支払われない可能性があります。
ペイオフ
「ペイオフ」という言葉は英語の pay-offからきています。pay-offとは、「支払い」や「精算する」という意味です。
ここでいうペイオフとは、銀行が破綻したときに、銀行が預金者から借りていたお金を返すことです。実際は、預金保険制度によって、預金保険機構から支払われた保険料を返金しています。
ペイオフには上限があり、預金保険の限度である 1,000 万円と、その利息を超える部分がカットされます。しかし、裏を返せば、1,000 万円は必ず返ってくることになります。1,000 万円という「定額」は必ず「保護」されることから、「定額保護」とも呼ばれます。
分別管理信託保全について
分別管理とは、証券会社が投資家から預かったお金を、会社の資産と分けて管理することです。
万が一証券会社が破綻してしまったら、投資家の預けたお金も、会社の所有資産として差し押さえられてしまいます。でも、分別管理されていれば、会社が破綻したとしても、投資家預けたお金は守られるのです。
信託保全とは、分別管理の中でも、証券会社が投資家から預かったお金を、信託銀行に預けるというものです。こうすることで、会社の経営が悪化しても、会社の資産と投資家の預けたお金がしっかり分かれているため、会社の運転資金などに勝手に使われる心配はありません。
