為替の動き
テレビでいう 1ドル80円から の意味
為替レートは通常、「80.10-15(ドル/円)」
というような表示をされます。これはどういう意味でしょうか?
まず「(ドル/円)」という表示は、これがドルと円の相場を表しています。
ユーロと円の相場のときは「(ユーロ/円)」と表示されます。実際には、各国の名前と通貨を英文字にした、USD / JPY や EUR / JPY などの国際規格コードが使われています。
世界の主要国通貨の国際規格コードは、下表の通りです。
| 通貨の名前 | 規格コード | 正式名称 |
| 日本円 | JPY | JaPanese Yen |
| 米ドル | USD | United States Dollar |
| ユーロ | EUR | EURo |
| 英ポンド | GBP | Great Britain Pound |
| 豪ドル | AUD | AUstralian Dollar |
| NZドル | NZD | New Zealand Dollar |
| カナダドル | CAD | CaNadian Dollar |
| スイス・フラン | CHF | Confoederatio Helvetica Franc ラテン語 |
| 南アフリカ・ランド | ZAR | Zuid Afrikaanse Rand オランダ語 |
つぎに、「80.10-15」という幅のある値段表示についてです。
これは、1ドル 80.15円 で買いたい、または 1ドルを 80.10円 で売るたいという意味になります。つまり、売値と買値のことをいっているのです。「1ドルの為替レートが、80.10円 から 80.15円 の間で変動した」という意味ではないことに注意してください。
さて、テレビで 1ドルが 80.15円 だと聞いて、すぐに銀行に行ったとしても、その為替レートで、私たち一般人は取引ができません。
それは、テレビでいう為替のレートは、世界中の銀行と銀行での取引価格だからです。
この銀行間での為替のレートのことをインターバンクレートといいます。
個人が、外貨預金などを扱うときは、インターバンクレートでは取引できません。
それぞれの銀行ごとに手数料が上乗せしてあり、通常1円ほどの片道手数料がインターバンクレートに上乗せされているのです。
ただし FXだけは例外で、インターバンクレートでの取引をすることができます。
FXは、個人投資家にとって、リスク管理さえ行えば、大変有利な外貨投資といえます。
円高ドル安、円安ドル高について
円高ドル安っていう言葉は、どうにもややこしく思うのは私だけでしょうか?
言葉の定義からすると、
円高(ドル安)では、1ドル 90円 ⇒ 80円というレートの動き
円安(ドル高)では、1ドル 80円 ⇒ 90円という動きです。
ややこしいのは、円の価値が高くなった、価値が安くなった(変な言い方ですが)というふうに、価値という言葉が抜けているからなんですね。普段の生活で使う「安くなった、高くなった」という感覚と違うのです。
そこで、小学5年生の息子に教えた「円高、円安がすっきり分かる方法」。
それは、1ドルをりんごに置きかえてみること。
なんのことだろうと思いましたか?とりあえず、やってみます。
1ドル 90円 ⇒ 1ドル 80円 を置き換えると、
りんご 90円 ⇒ りんご 80円 になります。
りんごは高くなりましたか?安くなりましたか?
りんごは安くなりましたね。
今度は、りんごを1ドルに戻します。
りんご は安くなりました。
1ドル は安くなりました。
ドルが安くなったので、ドル安(円高)です。
だから円高ドル安になったと考えるのです。いかがでしょうか?
為替が変動する理由とその要因
為替相場はどうして動くのでしょうか?
究極のことをいってしまえば、とっても単純な話で、「通貨を発行している国が安全なのか、潰れそうなのか」の安全性を判断して、動きができるのです。
この国の安全性の判断に使われる要素が、数多くあり、しかも相互に関係しあっているため、為替の動きを予想するのは大変難しいのです。
例えば、為替相場に影響を与える要因には次のようなものがあります。
金利の上下
市場の景気
物価上昇率
要人発言
株価指数
戦争・テロ・自然災害
金利の上下
それぞれの国の金利が為替相場に影響を与えます。一般的には、金利の高い通貨が買われる傾向にあります。例えば金利が5%の国との通貨と1%の通貨があったとします。金利5%の通貨を保有していた方が金利収入が大きくなりますから、金利5%の通貨は買われ、金利1%の通貨は売られやすい傾向になります。
市場の景気
景気の良い国の通貨は買われ、景気の悪い国の通貨は売られる傾向があります。株価(株式市場全般の動き)も為替に影響を与える要因となります。アメリカの株価が好調であれば、ドル高になる要因となります。
景気の良し悪しを判断するためには、次のような経済指標が使われています。
・経済成長率(GDP)
・株価指数
・消費者物価指数
・雇用統計
・住宅着工戸数(アメリカの場合は特に重要)
物価上昇率
物価が上がることをインフレーション、下がることをデフレーションといいます。
そして、政府はインフレーションを抑えるために金利を上げて、市場にあるお金の量を減らそうとします。デフレーションのときは、反対の動きがあります。
例えば日本の場合、
インフレーション ⇒ 金利上昇 ⇒ 日本円が買われやすくなる ⇒ 円高
デフレーション ⇒ 金利下降 ⇒ 日本円が売られやすくなる ⇒ 円安
といった動きをする傾向があります。
要人発言
各国の重要な人物の発言が、為替相場に影響を与えることがあります。
特に次のような人たちの発言には注目が必要です。
・アメリカ財務長官(ティモシー・ガイトナー)
・アメリカFRB議長(ベン・バーナンキ)
・ECB(ヨーロッパ中央銀行)総裁(ジャン=クロード・トリシェ)
・日本の財務大臣(安住淳)
・日銀総裁(白川方明)
・各国大統領、首相
・各国の中央銀行総裁
戦争・テロ・自然災害
自然災害は、避けようがありませんが、戦争・テロ・自然災害などにより、その国の政治・経済が不安定になるとみなされた場合、通貨の価値は下がります。
現在の日本は、大きな津波に襲われ大災害となったわけですが、通貨の価値がどんどん上がっています。これは、日本が自然災害で受けた被害以上に、アメリカやユーロの経済が経済的な打撃を受けているからなのです。
